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国際法以後

最上敏樹(著)

書籍情報, 国際法一般

2024年1月10日

ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるパレスチナ占領、自治区ガザへの大規模攻撃。世界は国際法が堂々と破られるさまを見続けてきた。国際法はなぜこれほど無力なのだろう。しかし、国際法の実効性が脆弱なことは以前から明白であったし、そもそも国際法と呼ばれるものの中味も統一的ではない。にもかかわらず、そうした問題が真摯に議論されることはあまりなかった。本書が国際法を「奇妙な法」と呼び、国際法学を「奇妙な学問」と呼ぶのはそのためである。


とはいえ、国際法学の内部で国際法の批判的検討が皆無だったわけではない。それはマルティ・コスケニエミ、アンソニー・カーティ、ロザリン・ヒギンズ、デイヴィッド・ケネディらによって担われてきた。本書では、こうした研究者の議論を整理・検討し、その成果を糧とすることで、既存の国際法の〈後〉に来るべきものについて、筆者独自の展望を切り拓いている。


実効性なき国際法の構造的問題は、これ以上看過できないところまで来ている。国際法学の内部で批判が行われるだけでは不十分だろう。国際法の再構築は、決して法の専門家だけに委ねられるべき事柄ではないのである。


https://www.msz.co.jp/book/detail/09667/

【目次】

序論 脱構築さるべきもの


第1章 奇妙な法

第2章 奇妙な学問

第3章 国際法を不確定にするもの――総仮設構造の世界

第4章 非世界政府の非世界法(国際法の制度)

第5章 異議申し立て(または自己相対化)としての国際法理論

第6章 理論と構想

第7章 時間を巻き戻す――理論だけにできること


あとがき

学部生・院生の国際法勉強会

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