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国際法勉強会
Hannah Kiel
書籍情報, 軍縮
2024年5月10日
この洞察に満ちた本では,非国家主体への武器移転の検討によって,国際法における規範浸食の問題を分析している。筆者は,実証研究と法理論のバランスを取りながら近年の事例研究を吟味し,体制の変容を背景とした個々の規範変化を追っている。
本書は,1986年のICJニカラグア事件判決以降の,非国家主体への武器移転の禁止に生じた変化を追ったものである。アブハジア,ボスニア,今後,東部ウクライナ,コソボ,リビア,イラク北部,南オセチア,シリア,イエメンなど,関連する事例研究を通じて,著者は法整備を批判的に論じる。慣習法という視点を採用し,また,国際的な構造変化の文脈に国の主張を位置づけることで,国の国家実行と人権に基づく枠組みの強化との相互作用を強調する。著者は最後に,個々のレベルでの規範の変化が,国際秩序でのより大きな変化を示唆していること,そして,非国家主体の武装が形式的に違法であり続けるものの,当該行為の禁止が非公式に侵食されつつあることを示している。
https://www.e-elgar.com/shop/gbp/arms-transfers-to-non-state-actors-9781803920726.html
【目次】
1 法と政治の間での非国家主体への武器移転
第Ⅰ部 法的枠組み
Ⅰのはじめに
2 構造的な変容,法の変化,そして規範の浸食
3 不干渉,武力行使,および非国家主体への武器移転の関係
4 国際レジームにおいて非国家主体を規制するためのアプローチ
第Ⅱ部 国家実行
Ⅱのはじめに
5 ケーススタディ
6 国際法の構造変化の中での国家実行の法的重要性
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