国際法勉強会
Niels Krabbe, David Langlet (eds.)
書籍情報, 環境, 海洋法
2024年2月22日
海洋生態系と生物多様性に関する理解は深まりつつある。本書では,海洋に関する法制度とその国内実施に対する課題を探求している。また,生物試掘,漁業,深海鉱業,海運などの分野における発展にも取り組んでいる。
いくつかのケーススタディでは,遺伝資源,および海洋生物多様性に関する国連の新協定が,国家管轄権を超えた地域に及ぼす影響について論じている。専門家らが,解釈,確立された管理原則,制度的関係の問題に対する新たなアプローチを提案している。国際海洋法に範囲を限定することなく,国際環境法,知的財産権,国内法についても考察している。
本書は学術的な議論を広げ,海洋資源ガバナンスの分野で現在起きている急激な政策展開についてタイムリーな考察を提供している。法律家,NGO,政策立案者に歓迎されるだろう。
本書の電子書籍版は、bloomsburycollections.comにて,CC BY-NC-ND 4.0ライセンスの下、オープンアクセスで入手可能である。オープンアクセスは,イェーテボリ大学法学部より資金提供を受けた。
【目次】
1. 序文:海洋生物試掘,生物多様性,海洋資源の新規利用
2. 国家を超えた管理: 国家管轄権の及ばない地域における海洋遺伝資源規制の意味合い
3. 海洋遺伝資源に関する議論の欠点:コンテクストの問題か?
4. 国際貿易法を通じた国家管轄権を超えた環境保護:課題と反省
5. デジタル配列情報(DSI)の出現と遺伝資源へのアクセスと生物試掘法への示唆
6. UNCLOSレジームの調整:この分野における活動に関するISAとIMOの権限の接点の分析
7. 大陸棚の定住種に属する生物多様性の保護の限界は何か?
8. 海におけるタイトライン: 漁業、海洋生物多様性、制度の学際的分析
9. 名古屋議定書と持続可能な開発目標の下での生物資源調査
10. アイスランドにおける海洋生物試料の規制
11. 北極圏における生物試掘と先住民の権利
12. 結論 海洋資源の人間による利用の変化と国際法:今後の展望