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海と国際法

柳井俊二(編著)

書籍情報, 海洋法

2024年3月28日

◆海は誰のものか? 海洋国家を守るための基礎 ― 第一線の執筆陣による信頼のテキスト◆


海は誰のものか? 海に関わる国際法の主要分野である、領域、航行の自由、資源、経済活動、安全保障、人権、環境等々、8人の第一線研究者による最新の海洋法テキスト。海洋国家を守るための最先端の基礎知識を学ぶ。巻末には、条約・文書一覧、判例一覧、資料・参考文献・国際機関一覧等も収載。


https://www.shinzansha.co.jp/book/b10080090.html

【目次】

◆第1章 海  域

Ⅰ 海洋法発展の歴史【柳井俊二】

 1 慣習法としての海洋法

 2 1958年ジュネーヴ海洋法条約までの海洋法

 3 1982年に採択された国連海洋法条約の構成

Ⅱ 国連海洋法条約の下での海域制度

 1 国家の管轄権の下にある海域

 2 国家の管轄権の外にある海域

Ⅲ 日本における国連海洋法条約の実施【鶴田順】

 1 2007年の海洋基本法の成立

 2 1996年の国連海洋法条約批准時の国内法の整備

 3 1996年の国連海洋法条約批准後の国内法の整備


◆第2章 航  行

Ⅰ はじめに【西本健太郎】

Ⅱ 各海域における航行の制度

 1 領海における外国船舶の無害通航権

 2 国際海峡における通過通航権

 3 群島水域における通航権

 4 公海における航行の自由

 5 EEZにおける航行の自由

Ⅲ 船舶に対する旗国の管轄権と沿岸国の管轄権

 1 船舶の定義と種類

 2 船舶の国籍と便宜置籍

 3 旗国の排他的管轄権【西村弓】

 4 内水と領海における沿岸国の管轄権

○Column COVID-19対応

Ⅳ 事故・緊急事態への対応

 1 船舶の衝突・座礁事故に対する裁判管轄権

 2 海難における緊急入域と船舶の避難地

 3 船長の遭難者に援助を与える義務


◆第3章 海洋の天然資源の利用と管理【児矢野マリ】

Ⅰ はじめに

Ⅱ 国家管轄地域における海洋資源の利用と管理

 1 内水・領海

 2 排他的経済水域(EEZ)における沿岸国の主権的権利と他国の権利

 3 大陸棚資源に対する主権的権利

 4 海洋環境・生態系の保全―国連海洋法条約第12部およびその他の条約の適用

Ⅲ 国家管轄外地域における鉱物資源の利用と管理

 1 「深海底」(Area)およびその鉱物資源の法的地位―「人類の共同財産(common heritage of mankind)」

 2 鉱物資源の利用と管理に関する国際制度

Ⅳ 公海漁業に関する国際的規制

 1 公海における漁獲の自由と持続可能な漁業

 2 国連海洋法条約および国連公海漁業協定による規制

 3 地域漁業管理機関(RFMOs)の役割

Ⅴ IUU漁業と旗国・沿岸国・寄港国の役割

 1 IUU漁業問題と対処の枠組

 2 地球規模での対処

 3 地域漁業管理機関(RFMOs)・二国間漁業協定による対処措置

Ⅵ 捕鯨と国際法

 1 鯨類に関する国際法の枠組

 2 IWCを中心とする「捕鯨論争」と南極海捕鯨事件ICJ判決

 3 南極海捕鯨事件ICJ判決後の日本による捕鯨活動

Ⅶ 自然環境・生態系の保全一般との関係

 1 自然環境・生態系の保全一般をめざす条約の役割

 2 自然環境・生態系の保全一般をめざす条約による規制

○Column SDGsと海洋資源の保全・持続可能な利用


◆第4章 海洋における多様な経済活動【石井由梨佳】

Ⅰ はじめに

Ⅱ 人工プラットフォーム

 1 利活用の態様

 2 埋立て

 3 人工島,施設,構築物の建設,利活用,廃棄

Ⅲ 海底ケーブル

 1 利活用の態様

 2 管轄の配分

 3 ケーブル保護のためのベスト・プラクティス

Ⅳ 海底パイプライン

 1 利活用の態様

 2 管轄の配分

 3 環境規制

Ⅴ 燃料等の洋上補給(バンカリング)

 1 利活用の態様

 2 管轄の配分

Ⅵ 海洋再生可能エネルギー

 1 利活用の態様

 2 管轄の配分

Ⅶ おわりに

○Column ブルーエコノミー


◆第5章 海洋安全保障・海上犯罪の規制・人権

Ⅰ 海洋安全保障の今日的意義【石井由梨佳】

Ⅱ 海上における警察行動と安全保障上の行動

 1 海洋法上の関連規則

 2 海上法執行における実力の行使

 3 武力の行使

 4 日本の海上保安法制

○Column 挑発的行為の防止,信頼醸成措置

Ⅲ 海上犯罪の規制

 1 海上犯罪の意義

 2 歴史的展開:海賊類推の限界

 3 海  賊

○Column グアナバラ号事件

 4 海上テロリズム

 5 禁制品の海上輸送

 6 制裁回避

 7 海洋環境,資源保全と刑事規制

Ⅳ 海上犯罪抑止のための国際協力

 1 寄港国措置の強化

 2 法執行協力

○Column 海戦法規の意義

Ⅴ 海と人権【小島千枝】

 1 国連海洋法条約における人権への考慮

 2 海洋紛争解決における「人道の基本的考慮」

 3 人権法との融合に向けて

○Column ロヒンギャ避難民と海上阻止活動


◆第6章 海洋環境の保護

Ⅰ 海洋環境の保護についての国際的な制度【小島千枝】

 1 海洋汚染の防止のための国際的な規制のはじまり

 2 国連海洋法条約における海洋環境保護に関する制度(第12部)の特徴

 3 「海洋環境の汚染」の定義

 4 海洋環境の汚染を防止・軽減・規制する義務の範囲

 5 陸起因の汚染

 6 投棄による汚染

 7 船舶起因の汚染

 8 海難事故による油濁汚染損害に対する責任

Ⅱ 気候変動からの海洋環境の保護

 1 気候変動がもたらす海洋の変化

○Column 海面上昇と基線をめぐる問題

Ⅲ 海洋プラスチックごみ【鶴田順】

 1 はじめに 

 2 海洋プラスチックごみ問題とは

 3 海洋プラスチックごみ問題に関する国際規範

 4 プラスチックごみ問題への日本の対応

Ⅳ 海洋保護区は何のため?【都留康子】

 1 海洋保護区の広がり

 2 国際的な議論のはじまり

 3 求められる数値目標からの脱却

Ⅴ 国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)

 1 海洋遺伝資源とは

 2 問題のパッケージ化,そして実施協定の交渉へ

 3 国連における交渉の論点と今後


◆第7章 海洋と科学技術

Ⅰ 海洋の科学的調査に関する国際法の形成【小島千枝】

○Column 持続可能な開発のための国連海洋科学の10年(2021-2030年)

 1 内水・領海・群島水域における海洋の科学的調査

 2 排他的経済水域と大陸棚における海洋の科学的調査

 3 公海における海洋の科学的調査

 4 深海底における海洋の科学的調査

 5 境界未画定海域における科学的調査

○Column 日中間の相互事前通報制度

 6 無人の調査機器をめぐる課題

 7 海洋の科学的調査における国際協力義務

Ⅱ 海洋科学技術の進歩と海洋ガバナンスの変容【都留康子】

 1 求められる技術移転

 2 技術進歩から生まれる法

 3 技術進歩と海の環境問題化

 4 そして,海洋ガバナンスの進化へ


◆第8章 海洋紛争と法の支配【柳井俊二】

Ⅰ 国連海洋法条約上の紛争解決制度および勧告的意見の制度

 1 国連海洋法条約の下での海洋紛争

 2 紛争の解決に関する総則および調停

 3 拘束力を有する決定を伴う義務的手続

 4 勧告的意見の制度

Ⅱ 国際海洋法裁判所(ITLOS)の創設と活動

 1 判例の概況(早期釈放を含む)

 2 暫定措置

 3 境界画定紛争等

 4 勧告的意見

Ⅲ 海洋法の漸進的発達に対する国際裁判所の貢献

 1 国際司法裁判所(ICJ)の貢献

 2 国際海洋法裁判所(ITLOS)の貢献

Ⅳ おわりに


◆第9章 地域的な海洋紛争の解決と予防【西本健太郎】

Ⅰ 南シナ海をめぐる紛争

 1 紛争の経緯・概要

 2 中国による「九段線」の主張

 3 フィリピンによる仲裁手続の開始

 4 仲裁判断の内容

 5 仲裁判断の意義と今後の展望

Ⅱ 東シナ海をめぐる紛争

 1 紛争の経緯・概要

 2 海域に対する関係国の主張

 3 境界未画定海域における暫定取極の締結

 4 合意到達を危うくし又は妨げないために努力を払う義務

 5 今後の展望


◇資 料

(1) 条約・文書一覧

(2) 判例一覧

(3) 資料,参考文献 

(4) 国際機関一覧

学部生・院生の国際法勉強会

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