国際法勉強会
Ms Amal Clooney, Lord David Neuberger
書籍情報, 人権, 国際法と国内法, 安全保障
2024年3月11日
本書は,国際人権法における言論に対する最低限の保護を記述したものである。本書は,国際法における表現の自由の権利の意味を明らかにし,法律と国家の実践との間の矛盾を明らかにし,国際基準をどのように解釈し,更新し,施行すべきかについて重要な勧告を行う。
本書の6つの章はそれぞれ,表現の自由を抑制するために武器化されている法分野に焦点を当てている。各章では,侮辱的な言論(名誉毀損法や扇動法を含む),虚偽言論(誤情報やディスインフォメーションに関する法を通じて),憎悪の言論,国家安全保障に影響を与える言論(スパイ法・公安秘密法やテロ法の形で)に焦点を当てている。各章では,関連する国家の実践を概説し,国際人権法に存在する矛盾を明らかにし,改革のための分野を強調している。本書全体を通して,国家が反対意見を封じるために依拠する立法手段—伝統的に言論を対象としてきた扇動罪,反逆罪,侮辱罪に加えて,最近ではテロリズム,「虚偽報道」,その他の曖昧な法など—を示している。各章の最後にある提言は,同じ基準を自主的に遵守することを表明している国家とソーシャルメディア企業双方の実践と法的義務とのギャップを埋めることを目的としている。
これらの勧告は現在の基準に基づいており,メディア自由連合の「メディアの自由に関する法律専門家ハイレベル・パネル」を含む,世界中の著名な専門家らによって認められている。
【目次】
1 はじめに
2 侮辱的な言論
3 ヘイトスピーチ
4 虚偽言論
5 国家安全保障に関する言論:スパイ活動および公の秘密に関する諸法
6 国家安全保障に関する言論:テロおよび公の秩序に関する諸法