国際法勉強会
Pavle Kilibarda
書籍情報, 国家
2024年12月12日
国家承認は国際関係においてよく見られ,国際法の議論においても中心的な位置を占めているが,その性質と法的効果については21世紀に入っても論争が続いている。 国家承認が国家の誕生において基本的な役割を果たすと考える者がいる一方で,承認に法的価値があることを否定する論者もいる。 いずれにせよ,国権が争われるいかなる事案をめぐる議論も,遅かれ早かれ,他国による承認,あるいはその欠如の問題に転じることになる。
本書は,国際法の主体であり原初的な存在である国家の創設において,国家性を絶対的あるいは経験的事実empirical factとし,承認を単に宣言的なものとする広範な見解に異議を唱えるものである。 パレスチナ,コソボをはじめとして,ソマリランド,ウクライナ東部まで,様々な紛争国家の比較分析に基づき,様々な状況における承認行為の規範的価値と効果を,国際法の適用規則から国家性が推論される場合,承認によってのみ国家性が説明される場合,国際法規範によって国家の樹立が阻止される場合を区別して確認しようとするものである。 本書は,承認に関連するさまざまな問題を論じるだけでなく,承認の歴史,各国政府の立場,国内外の法理を幅広く批判的にまとめた最新の概説書である。
https://global.oup.com/academic/product/recognition-of-states-in-international-law-9780198905653
【目次】
1 はじめに
2 法律行為としての承認
3 承認の類型
4 不承認
5 国際法における国
6 国の法主体性
7 条約,判例,そして実行上の承認
8 承認をめぐる諸学説
9 いつ承認が宣言的であるか
10 いつ承認が創設的であるか
11 承認を超えた国家性
12 承認の撤回
13 結論