国際法勉強会
Endalew Lijalem Enyew
書籍情報, 海洋法, 人権
2024年2月26日
本書は,国際法における海洋空間と関連海洋資源に対する先住民族の権利を取り上げる。
国際人権法と海洋法の両方における海洋空間と海洋資源に関する先住民族の権利を検証する本書は,海洋空間に対する先住民族の権利を認めるためのギャップとさらなるメカニズムの可能性を明らかにしながら,既存の法的枠組みを詳細に批判的に分析する。本書は3つの主要な問題を取り上げている。1)海洋空間と海洋資源に関する先住民族の権利を国際法がどの程度認識し保護しているか。2)海洋空間と海洋資源に関する先住民族の権利に関する海洋法と国際人権法が相互作用しているか,またどのように作用しているか。3)海洋法体制が,海洋空間と海洋資源に関する先住民族の権利を認識し実施する沿岸国の能力を制限しているか,またどの程度制限しているか。本書は,海洋先住民の権利がますます脅かされつつある状況下において,この分野における多くの既存の研究において現在重視されている理論的・方法論的アプローチを超えて、重要な批判的理論的・方法論的アプローチを展開している。
本書は,先住民族と法,国際法,海洋法,人権の分野の学者,研究者、実務家にお勧めです。
第Ⅰ部 ステージの設定:序論と歴史的概観
1. ステージの設定
2. 土地,海洋空間および天然資源に対する先住民族の権利に関連する国際法の発展: 歴史的な概観
第Ⅱ部 国際人権法と先住民族の土地・海洋空間・天然資源に対する権利
3. 国際人権法と先住民族: 土地と天然資源への権利に関連する規範
4. 海洋空間および海洋資源に関する先住民族の権利への国際人権法の適用
第Ⅲ部 海洋法と先住民族の権利との相互作用
5. 海洋法における海洋生物資源に関する沿岸国の権利と義務
6. 先住民族の人権と海洋法の相互関係
7. 海洋の哺乳類を捕獲する先住民の権利
8. 国際海上境界線を越えて 他国の海域における先住民族の伝統的漁業権
9. 結論