国家と海洋の国際法 ― 柳井俊二先生米寿記念（下巻）

【目次】

36 武力紛争とテロリズム犯罪の訴追・処罰について―2023年のガザ紛争を例として〔尾﨑久仁子〕
37 国際法上の武力紛争の「終わり」再考―ロシア・ウクライナ戦争収束への取り組みを軸として〔坂本まゆみ〕
38 「トルーマン・ショウ」の終焉―イスエラ=パレスチナ紛争における当事者の等価値の決定主体性（agency）の回復と国際法解釈コミュニティーの職業的誠実さ（integrity）の模索を通じて〔高柴優貴子〕
39 武力紛争被害者に対する非国家武装集団の賠償責任―新たな責任法の枠組と意義〔古谷修一〕
40 1924年ジュネーヴ議定書の賠償条項〔大森正仁〕
41 排他的経済水域・大陸棚に設置された海洋人工物に対する沿岸国管轄権〔西村　弓〕
42 「大陸棚単一論」の再検討〔西本健太郎〕
43 国際航行に使用される海峡に関する法的課題―通過通航権が適用されない海峡の認定を中心に〔下山憲二〕
44 境界未画定海域における海底資源の共同開発―半閉鎖海の事例の検討〔竹内明里〕
45 マーシャルズ201号事件―国連海洋法条約第121条3項の解釈と米国〔加々美康彦〕
46 船舶制度の国際法構造―社会通念の陥穽と海洋空間における組織的集合体の機能〔黒﨑将広〕
47 自動運航船に対する旗国の義務〔竹内真理〕
48 水中文化遺産の法的保護―沈没軍艦を素材として〔小山佳枝〕
49 海洋における抗議活動と国際法―国連海洋法条約附属書Ⅶ仲裁裁判所アークティック・サンライズ号事件裁定と欧州人権裁判所Bryan対ロシア判決を手掛かりにして〔小島千枝〕
50 国連海洋法条約第293条1項の「国際法の他の規則の適用」の限界と可能性―海洋法と人権法の交錯・相互作用の視点からの一考察〔田中清久〕
51 海域における環境犯罪の国際的規制―領海外におけるプラスチックごみ汚染についての旗国以外の国の刑事的規制を手がかりに〔石井由梨佳〕
52 深海底鉱物開発の「モラトリアム」提案について―国連海洋法条約第145条と「2年ルール」に注目して〔佐俣紀仁〕
53 国家管轄権外区域の海洋生物多様性に関する新たな国際ルールの成立―BBNJ協定の交渉経緯，国際法上の論点，今後の課題〔下飼手一郎〕
54 国家管轄権外の生物多様性の保存に関する協定（BBNJ協定）の実相と今後の課題〔都留康子〕
55 国連海洋法条約第15部の運用〔青木　隆〕
56 国連海洋法条約第15部の義務的裁判制度における第3節の役割に関する一考察―第297条及び第298条に関する先例を手掛かりとして〔河野真理子〕
57 国際海洋法裁判所の暫定措置要件〔玉田　大〕
58 COSIS勧告的意見が海洋法の漸進的発展に与える影響―国際海洋法裁判所大法廷の勧告的管轄権をめぐる一考察〔本田悠介〕
59 ICJの選択条項受諾宣言における「他の解決方法に合意した紛争」留保の意義―インド洋海洋境界画定事件を中心に〔石塚智佐〕
60 英仏大陸棚仲裁裁判再考〔三好正弘〕
61 Society 5.0と安全保障―「平時」における海底ケーブルの保護〔佐藤義明〕
62 海上阻止活動の根拠としての自衛権の「拡張的・修正主義的」解釈について〔新井　京〕
63 日本による直線基線制度の採用とその背景〔酒井啓亘〕
64 海洋環境保護における国家の義務―福島第一原子力発電所からのALPS処理水の海洋放出を契機として〔岡松暁子〕
65 日韓大陸棚境界画定への調停の利用可能性〔瀬田　真〕
66 国際環境法原則の存在証明―非後退Non-Regression原則を例として〔兼頭ゆみ子〕
67 国際環境法における協力義務の意義〔佐古田彰〕
68 気候変動訴訟―気候変動問題の人権概念への変遷と気候変動交渉における今後の課題〔山田和花奈〕
69 気候変動についての覚書〔芹田健太郎〕