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国際法勉強会
主権への干渉と国際法の言説的経済――その展開と再構築(Interference in Sovereign Affairs and the Discursive Economy of International Law)
Frédéric Mégret
主権への干渉は、至るところに存在するようでありながら、同時にどこにも明確な形で捉えられない現象である。公務員への圧力や汚職、開発援助における条件付け、人権状況への批判、心理戦やプロパガンダ工作、ディアスポラ(移民・海外居住民)の政治的利用、国際機関による監督、外交官の内政干渉など、その形態は多様であり、一定の枠に収めることが難しい。しかし、そもそも「干渉」を捉えるために用いる視点自体に問題があるのではないかという問いが浮かび上がる。
本書は、国際法が干渉の現象をいかに認識し、また特定の干渉を可視化する一方で他の干渉を見えなくしているのかを探求する。現在の国際法の枠組みは、干渉という行為を分類し、特定の形で意味づけるが、その過程でどのような現象が見落とされているのかについても考察が必要である。したがって、本書は、主権への干渉をその本質に即して理解するための新たな視点を構築することを試みる。
干渉の問題を真に理解するためには、国際法が依拠する言説的基盤を再構築することが不可欠である。国際法は、どのようにして干渉という概念を形成し、それを正当化あるいは抑制するのか。本書は、この問いに対して理論的かつ実証的にアプローチし、主権と国際的な関与の関係を見直すための重要な議論を提供する。
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