国際法勉強会
ニューへブン学派:アメリカの国際法(The New Haven School: American International Law)
Ríán Derrig
本書は、「ニューへブン学派」の知的歴史を探究するものであり、この学派はアメリカの法理論および実務において、イェール・ロースクールを中心に発展した法学派である。「政策志向の法理学(policy-oriented jurisprudence)」として知られるこの学派は、法を政策目的の達成手段として活用することを重視するアプローチを採用している。1940年代以降、20世紀アメリカ政治学の中心人物であったハロルド・ラスウェルと、著名な国際法学者であるマイヤーズ・マクドゥーガルによって発展させられた。
本書は、ニューへブン学派の法的議論の特徴が、20世紀半ばのアメリカ国際法の代表的なスタイルであったことを主張する。ラスウェルやマクドゥーガル、そして学派のメンバーの伝記や学問的活動を分析し、これまで活用されてこなかったアーカイブ資料を駆使して、この法理論がどのように形成され、冷戦期の反共政策や米国の法的実務にどのような影響を与えたかを明らかにする。本書は、ニューへブン学派が、形式主義に対する特有の批判的立場を持ち、アメリカの学者や法律家が国際法をどのように実践したか、そして現在もどのように実践しているかを示している。
【目次】
心理学的時代(The Psychological Age)
価値の問題(A Problem of Values)
法律家としての政策立案者(The Lawyer Policymaker)
アメリカの国際法教育(Teaching American International Law)
アメリカにおける反形式主義的な法実務(An American Anti-Formalist Legal Practice)
学派(The School)
結論(Conclusion)